お母さんいまどこに・・

今年初めに母親を自死で亡くしました、最後に電話で話したのは娘の私でした。

人の気持ち

帰っても毎日泣いて過ごした


1人になった時だけ


母の写真がいつも見えるところにある


おはよう、おやすみ


誰にも会いたくない買い物は夜に1人


そんな時に限って会わなければならない


あれから笑っていない、うまく笑えない


食事はだいぶとれるようになった


テレビも見るようになった


罪悪感が頭から離れない



ソーシャルを通じて


いいねを要求する人がいる


母の事で注目されているから


腹立たしくなる、息が苦しくなる


どうしたら私の気持ちを理解してもらえる


ある人が


良いことも悪いこともあると言う


母が亡くなって悪いこともあるですまない


ある人は


気持ちを切り替えていくしかないと言う


亡くなって2週間まだまだ私は悲しんでいたい


ほっといてほしい



どうしたらこの悲しみを辛さを理解してもらえる


桜が咲いても嬉しくない


一緒に見る母がいない


むなしくなるばかり


お母さんもうすぐ帰るからね


そしたら毎日でも会える

暖かい日

帰る日、いつものように堤防へ向かう


土手に小さなつくしが芽吹いていた


持ってきた服が暑く感じる


母が亡くなった寒い日が過ぎていく


暖かくなんてならなくていい


ずっと寒いままで母の事を思っていたい


1ヶ月遅かったら母は亡くならなかったかも


今さらいろんな事が頭をめぐる


お母さん


もうすぐ好きだった白もくれんの花が咲く


もう一緒に見れないね


今年は花を見るのが辛いかもしれない


春の訪れがこんなにいまわしく感じられる


とても憂うつ

母とともに

葬儀が終わり


私は1人母の家に居た。


年末に撮った穏やかな顔の遺影


小さくなった母のお骨


母が寂しいので今日はここで休む


急に張り詰めていたものが切れた


もし許されるなら


母のもとに行くなら今日しかない


1人で居られるのは今日しかない


あの時、あの夜、本当に死に迫っていた


ふと引き出しにあるハガキを思い出し見る


7カ月の息子がいた


大声で子供のように泣いた


母が私に見せたのかもしれない


息子を連れてそれから2週間


母の家に泊まり、母と過ごした


寝ている息子を見ながら母を思い毎日泣いた


亡くなった、見つかった場所に行き


毎日花を流した


そこに居てくれるような気持ちになる


自分の名前を呼ぶ母の声を思い出してみる


忘れていない、これからもずっと忘れない


母のお供え物を息子が


ばあちゃん1つください


良いですよって自分で言って持ってくる


こんなかわいい息子に会えたのに


母の遺影に小さなクモが1匹


息子が捕まえようとする


ばあちゃんがクモになって会いに来たんだよ


捕まえてはダメ


普通の人が聞いたらおかしいかもしれない


でも、小さなクモ1匹が愛おしく思えた


あの時の私、おかしかったのかな


母の大切にしていたネックレスを持ち帰った