人に会いたくない
休みになって たまにしか会わない 親戚に会わなければならない わかるけどわかっているけど 今の私には辛い 別に何か言われるわけではない でも、どんな顔したら まだそんなに笑えない 下手な作り笑い それとも暗い顔 それでも時々誰かに会ってしまった時は 何を話したかどんな顔をしてたか わからないぐらい... 続きをみる
今年は
毎年母の日は花を送っていた 去年は入院したのを知らず 喜ぶ母の顔を想像しながら 連絡がないのを不振に思い弟に連絡 入院したって 教えてくれたら せめて病院に花を持って行ってくれたら 母の家にメッセージカードだけがあった いつものように花おくったよ それだけでも伝えておきたかった 今年はおくる母が居... 続きをみる
行きたかった場所
帰ったらずっと行きたいと思っていた場所 母の好きな物と白い花束を持って1人 そこは母の見つかった場所 自宅からあの日のように堤防沿いを行く この長い道を川を母がたどっていったんだと涙が次から次にこぼれた 寒い冬が過ぎて 堤防にはアザミやシロツメクサが咲いていた 緑がたくさん溢れていた 海まで400... 続きをみる
お線香
母に会いに帰った もしかしたらいつものように 座っているかもしれない 玄関に入ったとたん 私の期待は裏切られる 懐かしい母の香りはなく かわりにお線香の香り 寂しい気持ちになる もちろん母はいない たまらずタンスを開けて 赤いカーディガンを出した 母が微笑んでいる 帰省したからと言って 何かしても... 続きをみる
夢でもいいから
桜が散りはじめてほっとする 母の事を知らない人が花見に誘う なんて断れば良いのだろう 母の事を知ってる人も花見に誘ってくれる なんて断れば良いのだろう 雨が降って風が吹いてほっとする 10年ぶりに入院した母 小さな私を抱いた写真はすらっとしていた 投薬をはじめて40年副作用か 洋服のサイズは3Lだ... 続きをみる
人の気持ち
帰っても毎日泣いて過ごした 1人になった時だけ 母の写真がいつも見えるところにある おはよう、おやすみ 誰にも会いたくない買い物は夜に1人 そんな時に限って会わなければならない あれから笑っていない、うまく笑えない 食事はだいぶとれるようになった テレビも見るようになった 罪悪感が頭から離れない ... 続きをみる
暖かい日
帰る日、いつものように堤防へ向かう 土手に小さなつくしが芽吹いていた 持ってきた服が暑く感じる 母が亡くなった寒い日が過ぎていく 暖かくなんてならなくていい ずっと寒いままで母の事を思っていたい 1ヶ月遅かったら母は亡くならなかったかも 今さらいろんな事が頭をめぐる お母さん もうすぐ好きだった白... 続きをみる
母とともに
葬儀が終わり 私は1人母の家に居た。 年末に撮った穏やかな顔の遺影 小さくなった母のお骨 母が寂しいので今日はここで休む 急に張り詰めていたものが切れた もし許されるなら 母のもとに行くなら今日しかない 1人で居られるのは今日しかない あの時、あの夜、本当に死に迫っていた ふと引き出しにあるハガキ... 続きをみる
別れの時
叔母が帰ってきてお棺の前でずっと泣いている、私と同じように泣いて悲しんでくれる人が居る、嬉しかった。 病気のせいでいろんな人に迷惑をかけた、今回のこともそう、誰もが母の死を悲しんでいない、中には安心した人も居る、わかっていた。表向き悲しいふりをしているだけだ、私の気持ちが荒んでいるのか、いやそれが... 続きをみる