お母さんいまどこに・・

今年初めに母親を自死で亡くしました、最後に電話で話したのは娘の私でした。

お線香

母に会いに帰った

もしかしたらいつものように

座っているかもしれない


玄関に入ったとたん

私の期待は裏切られる

懐かしい母の香りはなく

かわりにお線香の香り

寂しい気持ちになる

もちろん母はいない


たまらずタンスを開けて

赤いカーディガンを出した

母が微笑んでいる


帰省したからと言って

何かしてもらったり

ご飯を作ってもらうわけでもなく

好きな物を一緒に食べて

母がそこにいる

ただそこにいるだけで良かった


私は生きている

まだ幼い息子を悲しませないと

あの時命をたたず生きてる


私が弟が悲しまないと思ったのか

それより病気のほうが辛かったのか

いや私達に迷惑をかけているのが辛かった

また何かして私達をきづつけるのが怖かった

母も辛かったに違いない

私達のために命をたった

最後まで母親でありたかった


そう思いたい

この悲しみは辛さは苦しみは寂しさは

いつまで続く


今日は堤防へは行かなかった

小さな息子が言う

母ちゃんが泣かないように

川にいるばあちゃんを僕が助けてあげる

一緒には行けない連れては行けない